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横関さんのかんぴょう作り


 大音に引っ越してきて以来、横関隆幸さんの「かんぴょう作り」は、私の夏の風物詩です。お恥ずかしながら、横関さんに出会うまで、私は巻き寿司以外でかんぴょうに出会ったことがなかったし、かんぴょうが何でできているのかも知りませんでした。

 干した瓢ひさごと書いて「干瓢」。

ユウガオというウリ科の植物の実を細長く剥いて干したものがかんぴょうです。ヒョウタンと同一種で、花のアサガオやヒルガオとは名前は似ていますが別のもの。夏の間に、スイカほどの丸くて大きな実がなります。

 かんぴょう作りはまず、大きな実を輪切りにします。次に中の種を切り抜き、ドーナツ状の輪っかに。実を剥くのに使うのは、横関家に伝わる特製の「かんぴょう剥き器」。片手に収まる位の円柱型の木片に、カミソリ大の刃物が仕込んであるカンナのような道具です。これを輪っかの内側に沿わせていくと、スルスルと細長く帯状に実を剥くことができます。でも、かんぴょうの収穫が遅いと身が柔らかくなってしまって、上手に剥くのが難しくなります。

 天気が良い日は午前中に作業して昼までに干せば、二日ほどで真っ白なかんぴょうが仕上がります。逆に、悪天候を選んだり、作業が出遅れて干すのが午後からになるとせっかく剥いた実もカビが生えてダメになってしまいます。

 「何事も成功させるには技術もいるけど、時期を逃さないことも大事」と横関さん。何気ない一言に、人生の教訓を得る日々です。

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