丘峰喫茶店(能美舎)

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大音の糸取り

June 20, 2017

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大音は、知る人ぞ知る「糸取りの里」です。

今年も、「佃平七糸取り工房」の佃三恵子さんたちの糸取りが始まりました!!

大音の糸取りの歴史は古く、平安時代の昌泰二年(899年)、伊香厚行が、伊香具神社境内にある湧水で繭を煮て生糸を作り、都で大変な評判になったと文献に伝えられています。
生産される糸は上質で主に琴糸、三味線糸、琵琶糸として使われ、かつては全国で9割のシェアを誇り、水上勉の映画化もされた小説「湖の琴」の舞台としても、一躍脚光を浴びました。

しかし、製糸工場の廃業や、邦楽器を手にする人の減少、糸取り作業に携わる女性の高齢化などで、村にたくさんあった糸取り工房も今は、冒頭の「佃平七糸取り工房」の一軒のみになってしまいました。

佃さんたちは、伝統的な生糸作りの技術をなんとか残そうと、後継者の育成や観光客への糸取りの実演、地元小学校での学習の機会を設けるなど活動を続けてきましたが、近年では養蚕業者も高齢化で廃業が相次ぎ、繭自体が不足しがちな状況が出てきました。

そこで2014年、大音の有志の住民たちが、桑の木1500本の栽培を開始。

ふ化した蚕を買い付け、地元の人たちの手で、繭になるまで育てる取り組みが始まりました。

今年はその一部始終を、覗かせていただきました (^o^)

集落の桑畑は全部で3つ。桑の葉は桑茶にしたり、天ぷらにして食べたりもできるそうです。北国街道の山路酒造さんの「桑酒」も有名ですね!

 お蚕様のお部屋です。全部で約10000匹のお蚕様を育てています。

ものすごい勢いで桑の葉を食べるお蚕様。小屋全体に「シャクシャクシャクシャク」とお蚕様がお食事する音が響き渡っています。1日に3回の食事で、多い時には67.5kgも食べてしまうんだって!! 

部屋の温度は25度±3度くらいになるように、窓を開け締めして調整します。

あまり窓を開けすぎると、カラスやスズメに狙われてしまうので要注意。
大音の夜は冷え込むので、ストーブを焚いて、火の番をする日も。そろそろ、繭になろうとしているお蚕様は、5gから大きいものでは7gもあるそう。

お蚕様は健脚?で、腹筋?もしっかりしています。

この箱は、お蚕様のマンションです。 

お蚕様が大きくなると、お部屋におこもりになって、糸を吐き始めます。

お部屋探しをするお蚕様たち。右の箱は人気ですね。

「あら、このお部屋は景色がいいわね〜」「不動産屋さん、このお部屋に決めようかしら?」

 「あら、いらっしゃい」

お部屋を決めたお蚕様は、糸を吐いて繭を作り始めます。

佃さんによると地元で育った繭は、「とても質が良くて糸が取りやすい」そう。

質の悪い糸は、途中で糸が引けなくなり廃棄するものもありますが、

良質な繭は、一つから1200メートルもの糸が取れるそうです。

 

糸取りは、「だるま」と呼ばれる糸取り機で行います。

(写真は、佃三恵子さん。伝統技術の伝承活動が評され、文化庁長官賞を受賞されました。)

 

 

まず、85度くらいの熱湯が入った釜の中に、水に浸しておいた繭を入れ、

稲で作ったお手製の糸箒で、糸口を辿ります。

(事件の糸口をたどる、という慣用句はここから生まれたのでしょうか。)

そこから、約20個分の繭から手繰り寄せた糸を「メガネ」と呼ばれる小さな穴に入れます。

そして上の方の「小車」と呼ばれる滑車までの間に、一本の太い糸になるように腕で摩って糸によりをかけます。

一本の糸に変わると、後方の「こわく」と呼ばれる道具に糸が巻き取られていきます。

その間、糸を出し切った繭を釜から取り除いていきます。

この作業を繰り返し、繰り返し、生糸がつくられていきます。

今は、釜のお湯はIHクッキングヒーターで沸かしていますが、昔は炭、そのあとはガス。
調整が難しく、熱気もすごくて、大変だったそうです。
作業中、ずっと沸かしているお水は、昔から集落に引いてある賤ヶ岳の湧き水。
水道水ではカルキや消毒剤が濃縮されてしまい、生糸の質が悪くなってしまうそう。

「こわく」に巻き取られた糸は、「おおわく」と呼ばれる糸に巻き直されます。

それをさらに、絡まらないように束ね直します。

巻き取られた糸は、木ノ本駅側にある「丸三ハシモト株式会社」で邦楽器用の糸に加工されます。
丸三ハシモトさんでは、加工の見学もさせていただけるそうです。
 

集落で育てた桑葉でお蚕様を飼い、昔ながらの技術で糸を取り、

加工の最終工程までを見ることができる。

そんな地域って他にあるのかな。ものすごく貴重な文化財だと思います。

 

佃さんたちもだんだんと年を取っていきます。

桑の葉を育てる畑、お蚕様を飼う知識、糸取りの技術、
そして、糸取りに欠かせないきれいな山の湧き水。
どれを守るのも、後継者が必要です。

地元の子らが興味を持ち、少しずつでも地域の伝統文化を継承していってくれるといいな。

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