
映画「カメラを止めるな」凱旋上映会!
映画「カメラを止めるな」が話題です。公開当初は東京の小さな映画館2館のみでの上映でしたが、口コミで人気が沸騰、大手配給会社が共同配給を申し出て、今や全国150を超える映画館での上映が決定。海を渡り韓国での上映も決まったそうです。 今、木之本の街はこの映画に沸いています。というのも、監督の上田慎一郎さんは地元出身なんです。異例のヒットを誰よりも喜んでいるのは、ご家族や同級生。監督のお母さんのさゆりさんは「いつかは、という夢はあったがあまりに突然で家族も驚いている」と目尻を下げ、弟の悠二さんも「自分のことのように嬉しい」と語ります。 しかし残念ながら、市内には映画館が一つもありません。そこで、幼なじみの西村洋平さんを中心に「監督が育った街で、街のみんなと一緒に彼の映画を観たい!」とクラウドファンディングで協力を仰いだところ、公開5日目で目標の50万円を達成。支援者には、地元以外の映画ファンも多かったそう。西村さんは「慎(監督)は昔から人を巻き込むのが好き。この映画も見た人が作品を応援したくなるようなところがある」。どんな映画?あらすじはネタバレしてし

男の子を出産しました!
8月2日午後7時19分、長浜市内のクリニックで、3290gの元気な男の子を出産しました! 前日の午後、痛みの波が10分間隔にやってくるのを確認し、病院へ行くことに。入院が決まってからは、子宮口が開くまで、ひたすら陣痛との闘いです。間隔が短くなる度に増す痛み。唸る私の背中をさすってくれる森下君の温かさを感じながら、記者時代、神戸で警察担当だったときに起きた事件を思い出していました。 2010年、神戸市北区の量販店のトイレで、高校3年生が男児を出産後、便器の水に浸けたまま放置し窒息死させ、その遺体を紙袋に入れて側溝に遺棄した、という悲しい事件です。 陣痛の波を乗り越えながら、彼女の痛みに思いを馳せていました。私のように安全で安心な環境が整った上でも出産は不安なのに、たった一人、量販店のトイレで、経験したことのないような強烈な痛みに耐える18歳の少女。どんなに怖かったでしょう。胸が張り裂けそうです。 最近でも似た事件は尽きません。十月も一心同体で過ごし、壮絶な痛みに堪えて生まれ出ずる我が子を、その腕に抱きしめられない状況で出産する女性たち。背景にあるの

全国に本を届けるには(2)
さて、本を流通させるために、既存の卸ルートがあることは分かったものの、古い業界です。新規参入の条件はどこも厳しい。そんな中、石橋毅史著「まっ直ぐに本を売る」(苦楽堂)という本の中で、卸を通さずに書店に本を並べる出版社があることを知りました。 その一つが、2001年に社員2人で創業した東京の出版社トランスビュー。卸を通さず全国約2千店舗の書店と直に取引契約を結んでいます。同社に口を聞いてもらう形で、小さな出版社約50社が同様に本を流通させているそう。 6月、東京である出版社の集まりに同社の方が参加すると聞き、妊娠9ヶ月のお腹を抱えて上京しました。来てみたはものの、退職以来、スーツを着た人と名刺交換するのも久しぶりです。そもそも、私は一体何者なのか。「滋賀の田舎で喫茶店を開きつつ、本作りをしています」と説明しても、不思議な顔をされてしまいます。組織の後ろ盾が無いと心細くなってしまう己の情けなさを実感して、とほほ。 それでも目的は果たすべし。トランスビューの方を探します。出会ってみると、大変物腰の柔らかな紳士でした。直取引に興味があることを伝えると、前

全国に本を届けるには(1)
「能美舎」という屋号で、本作りを始めて3年目。これまでは、インディーズのミュージシャンがライブ会場で自作のCDを手売りするイメージで活動してきましたが、制作を続ける中で「この本はもっと広い範囲の人に手にとってもらいたい」と思うものが出てきました。 でも、出版業界は全くの素人です。なんとか本の形をしたものを作ることができるようにはなったものの、そもそも本が、どうやって全国の書店に並んでいるのかも知りません。 調べてみると、一般的に流通する本には「ISBN」という世界共通の記号で、どこの出版社が作ったどんなジャンルの本なのかを識別するための記号と、それに付随して書店などが本体価格などを把握するための「書籍JANコード」という記号が必要なようです。ISBNを取得すると、どんなに小さくても公に「版元」と認められることにもなります。そこでこの春、それらを管理する「日本図書コード管理センター」に申請書類を提出。晴れて、公的に出版者?「能美舎」が誕生しました! でも、それだけでは書店に本は並びません。全国の書店と各出版社が一冊ごとにやり取りをするのは大変です。